予防接種について
当院では、インフルエンザ、風疹、麻疹、肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を行っています。予防接種はその感染症への感染を防いだり、感染してしまった場合の重症化を防いだりするものです。ひとつの感染症にかかってしまうと、それによって体力や抵抗力が落ち、別の病気を合併して発症してしまう場合もあります。特に高齢の方やお子様では、そのリスクが高まりますので、予防接種をご検討ください。
予防接種で用いるワクチンは、人間の免疫システムを利用したものです。免疫システムとは、一度侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体が、再び体内に入ってきた際、その病原体に対抗する仕組みです。この仕組みを利用したワクチンには以下のような種類があります。
生ワクチン | 生きたウイルスや細菌の毒性を最大限弱め、病原体をそのまま使用したもの |
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不活化ワクチン | ウイルスや細菌を加熱処理、フェノール添加、ホルマリン処理、紫外線照射などで無害化したもの |
トキソイド | 細菌の毒素だけを取り出してホルマリン処理を行い、無毒化したもの |
mRNAワクチン | ウイルスのたんぱく質をつくるもとになる遺伝情報の一部を注射するもの |
予防接種は一人ひとりが感染症に罹患するリスクを低減することに加え、社会全体に感染症が蔓延することを防ぎ、地域や職域の皆様が健康的な生活を送ることに役立つものです。
当院での予防接種は午後の診療時間に行っております。
予約制となりますので、お電話にてご予約をお取りください。
086-233-2222
インフルエンザワクチン
インフルエンザは秋の終わりごろから春先にかけて流行するインフルエンザウイルスによる感染症です。咳やのどの痛み、悪寒など風邪とよく似た症状を呈しますが、38度以上の高熱が出る、倦怠感や関節痛、筋肉痛といった全身症状が出るなどの特徴があります。
通常ですと1週間~10日で症状は改善しますが、抵抗力が落ちている高齢の方や、免疫システムが未熟な小児や乳幼児は重症化のリスクがあります。高齢者では肺炎などの併発、小児や乳幼児では急性脳症の併発を招く場合があります。また、喘息などの慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの持病がある方は、罹患すると重症化する場合があります、こうした方には、とくにインフルエンザワクチンの接種をお勧めします。
インフルエンザウイルスは毎年変異するため、それに合わせて使用されるワクチンの株も変更されます。そのためワクチンは毎年接種することか大切です。またワクチンは接種から予防効果を発揮するまで約2週間かかり、5ヶ月ほど効果が持続するとされていますので、流行期が始まる前に接種するようにしましょう。なお、接種されるインフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。
インフルエンザワクチンの開始時期につきましては、ホームページにてお知らせいたします。
※高齢者を対象としたインフルエンザワクチンでは、公費の補助を受けられます。
詳しくは下記をご参照ください。
風疹ワクチン
「風疹(Rubella)」は風疹ウイルスの飛沫感染が原因となる感染症です。軽い風邪症状から、発熱や発疹がみられ、さらに耳の後ろのリンパ節が腫れるのが特徴です。発熱や発疹などの症状が3日ほどで治まることから「三日ばしか」とも呼ばれることもありますが、成人がかかると、高熱や発疹が長く続いたり、関節痛が現れたりするなど、小児より重症化する場合があります。さらに脳炎や血小板減少性紫斑病を合併し、入院が必要になることもあるため注意が必要です。
また妊婦が風疹に対する免疫が不十分な妊娠早期(20週頃まで)にかかると、子どもに先天性風しん症候群(心臓病、白内障、聴力障害など)が現れるリスクが高くなります。出産を控える方はもちろん、周囲の方も風疹ワクチンを接種しておくことをお勧めします。
※風疹ワクチンは、公費の補助を受けられる場合があります。詳しくは下記をご参照ください。
麻疹ワクチン
「麻疹(Measles)」は「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスが空気感染、飛沫感染、接触感染することによって発症する感染症です。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症するとされています。症状としては、感染後約10日で発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃~40℃の高熱と発疹が現れます。
麻疹は成人で発症すると重症になると言われています。また合併症として肺炎や中耳炎を発症しやすいとされ、罹患した人1,000人に1人の割合で脳炎が発症するとも言われています。死亡する割合は先進国であっても1000人に1人と考えられていますので、今までに麻疹に罹ったことのない方は、ワクチンの接種を検討されることをお勧めします。
MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)について
現在、麻疹と風疹を同時に予防するMRワクチンの接種が主流となっています。それぞれの毒性を低減したウイルスを使用した生ワクチンで、1回の接種で麻しん・風しん両方に対して、95%の確率で十分な免疫を獲得することができます。2回接種すると免疫獲得率はさらに向上し、麻疹・風疹の両方に対して97%~99%以上とされています。1回目と2回目は基本的に4週間の間隔を取ります。
※当院では、MRワクチン接種を実施しております。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、肺炎を引き起こす原因の第一位となっている細菌です。もともと人の鼻やのどの奥によく存在している常在菌の一つで、保菌していても発症しないことが多くあります。しかし高齢などで免疫力が低下していると発症し、肺炎を引き起こします。
一度、肺炎を起こしてしまうと、さらに体力や免疫力が低下し、肺炎の重症化や、再発を繰り返してしまうことがあります。一度傷ついた肺は元に戻りにくく、生活の質を落としてしまいます。また髄膜炎や敗血症、中耳炎などの合併症を引き起こす場合もあります。肺炎は日本人の死亡原因の常に上位に位置するものですので、ワクチンが効果のある肺炎に関しては、ワクチンで予防することをお勧めいたします。
なお高齢者の肺炎球菌ワクチンは定期予防接種となっています。対象となるのはこれまで肺炎球菌(ニューモバックス)の予防接種を1回も受けたことがない方で、各年度に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方、および60~64歳の方で特定の条件を満たしている方です。
肺炎球菌の予防接種は、市内在住で条件の当てはまる方に公費補助があります。
下記サイトをご参照ください。